迷惑広告|パソコン速度が早くなる!?とはどういうこと?騙されないで!

目次
概要
パソコンでネットを閲覧していると、ノートンインターネットセキュリティやウィンドウズによく似たデザインで、「ウィンドウズの問題を診断・修復」、「あなたのパソコンから深刻なエラーが検出されました」などの広告が出てくることがたまにあります。
また、インターネットのページをページを開こうとすると、全く関係のないページが表示され、「おめでとうございます!あなたは〇〇人目の当選者です!」と書かれたマイクロソフトに似たページに飛ばされることもあります。
今回は、パソコンが早くなると称してエラーを修復するなどのソフトで実際に早くなるの?と言うことをお話しします。

どういう画面が出るの?
筆者のパソコンとスマートフォン、タブレットで出た実際の画面になります。

こちらは一般的な広告表示の中に、いかにもクリックしそうな、何か危険で押さないとダメ?と言う雰囲気を醸し出したデザインが出てた例です。
実際には、Windowsの修復は開発元のマイクロソフトが行うものであって、こういうソフトで行うことは絶対にありませんし、ましてや広告で表示去れてる時点で怪しいです。
こういうものが出てきたら、カーソルを近づけないようにそっとページを閉じるか変えましょう。

スマートフォンでも安心はできません。ブラウザが突然このようになり、ポップアップなのでボタン操作しないと何も操作が出来なくなってしまいます。
特にこの時点での「OK」のタップは問題ありませんが、気分的に押したくないものです。
最悪、再起動をするか、アプリを一度削除してもいいでしょう。
タブレットでもネットサーフィンをしていると出てきます。iPadなのにiPhoneと出ている時点で雑な詐欺ですね。
パソコンを早くするのはほぼ不可能
我々WEB系エンジニアは検索エンジンを良く使います。
主たる目的は、調べもの、情報収集、英語などのスペルチェック、フリーソフト探しなどです。
特にヤバいのがフリーソフト探し。これをやりだすと十中八九怪しいソフトへの誘導が出てきます。
かくゆう筆者ももちろんそういった怪しいソフトを入れた経験があり、特にプログラムのエラー探し(デバッグ)をしている時や、CSSで悩んでいる時、
かなり精神が疲弊しきっていて、何か簡単に解決できる方法はないか?と考えている時って判断力がゴミのようになってる時があるんですよね…
いつもなら絶対に「アヤシイ…」となってクリックなんてしないのに…
大抵が〇〇レジストラなんて名前が付いていたり、ウィルスチェック系のソフトを装ってます。
結論を言いますと、【ソフトを入れてパソコンが早くなることは絶対にあり得ません】。
パソコンは入ってる部品部品で物理的にスペックが決まっています。電子的にスペックが上がる(早くなる)なんて言う事はほぼ無いと思っていてください。
パソコンはなぜ遅くなるの?

使い始め当初よりパソコンが徐々に遅くなってくるのは、まず一つにキャッシュが溜まるからと言うのがあります。
例えばWEBサイトを見ていて、次のそのWEBサイトを見た際に早くそのページが開かれるよう、ある程度の情報がパソコンに残っていきます。
そのデータ蓄積のために遅くなる要因の一つとなります。
また、パソコンはあらゆるソフトがあって動いています。何をするにもソフトウェアなのです。
このソフトウェアを円滑に動作させるためにはRAM(ランダムアクセスメモリー)と言うものが使われていて、同じようにソフトの起動を早くするためメモリーが蓄積されていきます。
さらに、ソフトはバージョンアップをオンラインで繰り返していきますので、その容量が増えていくこともありますし、中にはオペレーションとソフトのプログラムが干渉したりすることもあります。
もちろん、そういった原因がソフトウェア会社で確認されれば修正パッチなどが出て改善はされますが、クライアント環境は様々ですので一概に原因を特定しにくいのが現状です。
オペレーション自体でもソフトと干渉が起こったり、常に動いてるバックグラウンドソフトなんかで起こるとその影響はまともに出てきます。
パソコン環境は常に蓄積と変化を繰り返していますので、重くなることは避けられない事です。
パソコンの動きを軽くするには?
いくつか方法があります。
・パソコンを買い替える
・Cドライブを一度フォーマットする
・CドライブがHDDならSSDに変える(もちろんフォーマットになります)
・セキュリティソフトを見直す
・その他バックグラウンドで動いているソフトを調べて洗い出し精査する。(非現実的)
ほぼこの4つしかありません。
これ以外にパソコンの動きを早くする方法は無いに等しいとお考え下さい。
※間違ってもソフトをインストールして早くなることは絶対にありません。
※また安易にメモリーを増やしても意味がありません。
コンプレックス商法

パソコンの動きが遅い事は、パソコンでお仕事をしたり事務処理など、業務使用してると非常に深刻な事です。
趣味でネットサーフィンを楽しんでいても、何かを入力しようとするたびにカーソルが固まったり、クルクル回ってページが開かなかったりすると、使うのが嫌になります。
そういう時に共通して思うことが「パソコン早かったらいいなぁ~」です。
ここに付け込んだ広告が非常に多く、ついうっかりクリックしてしまいがちです。
でも覚えておいてください、ソフトのインストールでパソコンが遅くなっても早くなることは絶対にありません。
インストールしてしまったら何が起こる?
万が一それらの広告を踏んでしまってインストールをしたら何が起こるのでしょうか?
・不要な広告がブラウザいっぱいに広がる

・パソコンから変な音が鳴りだす
・個人情報が抜かれる
・パスワードが抜かれ、パスワードを解読したなどの英語の脅しメールが届くようになる
・「トロイの木馬が検出されました」とウイルスソフトに言われる
・リンクを踏むたび意図しないWEBサイトに飛ばされる

・迷惑メール、スパムメールが大量に届く
など

徹夜作業をしている時など、こういう事態になったらもう何もかも放り出して海へ飛び込みたい気持ちになります…
あの時クリックさえしなければっ・・・・となる前に、アヤシイ広告は絶対にカーソルも乗せない事です。
まとめ
パソコンが遅いと感じたらもうほぼ寿命に近いです。
記憶デバイスのHDDも寿命は2年ないし3年程度と言われています。
また、HDDは磁気を使ってデータを管理していますので、この磁気が経年によって物理的に弱くなってきます。
弱くなってくると必然的に読み込めなくなり、時間がかかったりします。(2年も使えばHDD内は不良セクタだらけになっています、特にアクセスを頻繁に繰り返すCドライブは消耗が激しいです)
WEBサイトやソフトも日々更新され、パソコンの要求スペックも日々上がる中、パソコンは消耗品と捉える方が良いかも知れません。
パソコンに詳しい方なら、このあたりの部品を交換したり刷新したりして使っていくこともありますが、それでも10年も使い続けられるものではありません。
中古パソコンは、パソコンの知識のない方は買うのを避けた方が無難です。
また、低すぎるCPUスペックも早く重くなる原因になります。(最低でもcorei3モデルを)
商売と同じで、楽して儲かることも絶対になければ、楽してパソコンが早くなることもありません。
こういう手口に引っ掛からないよう、注意したいですね。
筆者の余談
筆者はたまに1週間~1か月程度、海外出張などで間を空けることがあります。(常にデバイスは持ち歩いていますので、仕事や連絡に影響はありません)
NASサーバーや記憶デバイスなどを大量に管理していますが、大体1週間不動の状態にしていると必ず帰って来て”ナニカが”壊れています。
大抵は、一番古いモノから順に壊れてます。NASが壊れたときはもう世界の終りのように思いました・・・(何とか自力でデータ復元しましたが)
それからクラウドサービスを利用するようになったのですが、記憶デバイスとはこのように非常に繊細なものであることが分かります。
”まぐれで毎日使ってるからたまたま動いているだけ”と言うことがあるんです。不思議ですね。
データ管理は非常にお金がかかります。パソコンを動かしているのもデータです。動きが遅くなったその時は、何かのサインなのかもしれません…